ワウの基本から応用まで!初心者にもわかる『ワウペダル&オートワウ徹底ガイド』
みなさんこんにちは!
ギターを演奏していると、時々耳に残る印象的な音に出会うことがありますよね。
たとえば、あのくぐもったような「ワウ ワウ」いっているような音色…
そう、「ワウ」と呼ばれるエフェクターです!
この記事に辿り着いたみなさんも、
・好きなアーティストや曲で使われている特徴的な音が気になって調べたら「ワウ」だった
・好きなアーティストの演奏シーンを見た時に、せわしなく動いている足元が気になったら「ワウペダル」だった
・マルチエフェクターを使用している時に収録されていた謎の単語「ワウ」というエフェクターが気になった
などなど…
ワウは、数あるギターエフェクターの中でも人気が高く、多くのプレイヤーに愛用されてきました。
ロック、ブルース、ファンクなど、様々なジャンルで活躍するワウは、奏者の表現力を大きく広げてくれる魅力的なエフェクターです。
そこで本記事では、ワウの基本的な仕組みから、ワウペダルとオートワウの違い、実際に販売されているワウの紹介など、ワウの魅力を存分に味わえるような情報をお届けします。
これからワウを始めてみたいと考えている方も、すでにワウを使っているけれどもっと活用したいと思っている方も、ぜひ本記事を参考にしてみてください!
まるでクルマ? ワウには「マニュアル」と「オート」が選べます
ワウには大きく分けて2種類あります。ワウペダルとオートワウです。
ワウペダル
手動…ならぬ足動(?)でペダルを操作するタイプです。ペダルの踏み込み加減で、ワウ特有の「ウワーン」という音の変化を作り出します。奏者のニュアンスを直接反映できるため、繊細な表現が可能です。また、ペダルの動かし方によって様々なリズムパターンを生み出すこともできます。
オートワウ
見た目はコンパクトエフェクター型で、ペダル操作ではなくツマミの設定によってワウサウンドを自動的に作り出します。ワウペダルのようなリアルタイムのコントロールはできませんが、手軽にワウサウンドを得ることができたり、マニュアル方式のワウペダルでは難しい表現も実現することができます。
オートワウの詳細な仕組みについては、メーカーや製品によって異なりますが、主にはギタリストのピッキングニュアンスに反応してワウのかかり方が変化するものか、ピッキングに関係なく一定の周期でワウがかかるものが一般的です。
呼び方は様々ありますが、この記事では前者を「タッチワウ」、後者を「モジュレーションワウ」と呼ぶことにします。
※メーカーや他のメディアでの説明では上記の呼称が逆であったり、また別の呼び方をしている場合もあります。それぞれの効果に対する呼称に明確な定義があるわけではないので、カタログ等をご覧になる際は十分にご留意ください。
ワウペダルとオートワウ、それぞれに特徴がありますが、どちらもギタリストの表現の幅を広げてくれる頼もしい相棒です。自分に合ったワウを見つけて、ワウサウンドを思う存分楽しんでみてください!
オートワウのつまみを設定してみよう
足で操作するワウペダルは、強く踏み込んでスイッチをオンにしたらあとはペダルを動かすだけ…という圧倒的シンプル操作ですが、オートワウはサウンドをコントロールするためのノブ(つまみ)がいくつかついています。ノブの種類や名称は製品によって異なりますが、ここではマルチエフェクターの 『BOSS/MS-3』に収録されている「T.WAH(タッチワウ)」と「AUTO WAH(モジュレーションワウ)」それぞれのノブの機能について解説していきましょう。
ピッキングの強弱で効き方が変化:タッチワウ編
SENS.(SENSITIVITY/センシティビティー)
オートワウがギタリストのピッキングニュアンスをどの程度拾うかを調整するノブです。SENSITIVITY を上げると、弱めのピッキングでもワウ効果が掛かりやすくなります。逆に下げると、強めのピッキングでないとワウ効果が掛からなくなるので、よりダイナミックなワウ効果を得ることができるでしょう。
FREQ(FREQUENCY/フリクエンシー)
フィルターの変化度合いを調整するノブです。上げるとより広い範囲でフィルターの開き具合が変化するので「ワウワウ」感が強くなります。下げるとフィルターが動く幅が狭まるので開き/閉じっぱなしな印象になります。
PEAK(ピーク)
フィルターのかかりの強さを調節します。上げると周波数の強調がより強くなり、クセの強いフィルターになります。下げるとそれほど強調しなくなるので自然なかかり方になります。ワウのキャラクターを作る重要な部分となるのでギタリストによって個性が光るパラメータです。
DOWN/UP(ダウンアップ)もしくは MODE(モード)
フィルターの開き方や特性を選ぶことができます。
DOWNは弾いた瞬間からフィルターが閉じていき、「ミョンミョン」「ミャウミャウ」といった猫の鳴き声を連想させるようなワウのかかり方をします。
UPは逆に、弾いてからフィルターが開いていくので、「ゥワ〜」「ジュワ〜」といったDOWNとはまた違ったクセのある効果があります。
一定の周期で変化:モジュレーションワウ編
SPEED(スピード) または RATE(レイト)
フィルターが動く速さを調整するノブです。上げると「ワウワウ」という周期が速くなり、下げると遅くなります。ペダルやボタンを押す間隔で設定できるタップテンポ方式のものもあります。曲のテンポに合わせることが基本です。
DEPTH(デプス)
ペダルワウを動かす幅に相当する調整ができるノブです。上げるとワウの効果がわかりやすくなり、下げると周波数ピークの変化が少なくなり、機種によっては完全に止まった状態になります。RANGE(レンジ)とも書かれている機種もありますが、ペダル型のワウに置き換えて考えたときにどれくらいワウを踏み込むかをイメージすると良いでしょう。
PEAK(ピーク)
上のタッチワウでも説明したものと同じ効果を調整します。上げるほど強調される周波数のピークが強くなっていきます。お好みに合わせて調節してみてください。
FREQUENCY(フリークエンシー) または MANUAL(マニュアル)
ワウのフィルターが往復する際の中心を調整します。上げると高域寄りになり、下げると低域寄りになります。どの周波数を強調したいかに合わせて調整しましょう。DEPTHが最大だと効かないこともあるので注意しましょう。
一般的なノブの説明をしてきましたが、これらのノブは製品によって搭載されていない場合や、名称が異なる場合があります。また、ノブの配置や効果の現れ方も製品によって異なりますので、まずはひとつずつつまみを操作しながら音作りを楽しんでみてください!
用途に応じて使い分けよう!ワウの使い方4選
ワウは、様々な演奏スタイルや曲調に合わせて使い分けることができます。ここでは、どんな演奏をする時に、どのようなワウの使い方をすると効果的かを見ていきましょう。
ワウペダルで感情をダイレクトに表現しよう
まず、ブルースやロックなどのソロプレイでワウを使う場合、ワウペダルを使うのがおすすめです。ワウペダルなら、足元のコントロールでワウ効果をリアルタイムに操作できるので、ギターソロの表情付けに最適です。ペダルを踏み込む強さや速さを変えることで、ワウ効果の深さや広がりを自在にコントロールできます。
モジュレーションワウでテンポに合わせて「ワウワウ」
一方、ファンクやディスコなどのリズミカルな曲調では、モジュレーションワウが活躍します。一定のリズムでワウ効果が自動的に反復されるので、グルーヴ感のあるリフを演奏するのに便利です。もちろん足でテンポをとりながら、その足でワウペダルを操作しても良し。体の動きが音にも見た目にも楽しさを与えます。
ピッキングワウで新次元の音作り
ギタリストのピッキングニュアンスに反応するタイプのピッキングワウを使えば、シンセサイザーのような新しい音色を作り出すことができます。ベースにもとてもおすすめです。
ワウを「固定」する!?ちょっと変わった使い方
裏技的な使い方としては、オートワウのSENSITIVITYとDECAYを0まで絞り込んでフィルターを完全に固定してしまう方法。FREQ(MANUALなどとも)ノブで強調したいポイントを選べば、マイケルシェンカー(MSG,UFOほか)や松本孝弘(B’z)のギターサウンドで聴ける「鼻詰まり」とも形容される独特のサウンドを得ることができます。ワウペダルを固定したような効果が得られ、特にソロではギターの存在感をより一層際立たせることができます。この効果を得るために特化したペダルも発売されています。
ワウの使い方は、演奏者の創意工夫次第で無限に広がります。自分なりのワウの使い方を探求していくことが、オリジナリティあふれるサウンドメイキングにつながるはずです。ワウペダルとオートワウ、それぞれの特性を理解して、自分の演奏スタイルに合ったワウの使い方を見つけてみてください!
伝説的ワウから個性派ワウまで!有名機種を一挙紹介
ここからは、実際に販売されているワウペダルとオートワウを紹介していきましょう。ワウペダルもオートワウも、様々なメーカーから多彩なモデルが発売されています。それぞれの特徴を知ることで、自分に合ったワウエフェクターを見つけやすくなるはずです。
ワウペダル編
ワウペダルの代表的なモデルとして、Jim Dunlopの「Cry Baby」シリーズが挙げられます。Cry Babyは、ジミ・ヘンドリックスやエリック・クラプトンなど、数多くの著名ギタリストに愛用されてきた定番モデルです。豊かな表現力と頑丈な作りが特徴的で、ロック御用達のワウペダルと言えるでしょう。
VOXの「V847」も、ワウペダルの名機として知られています。60年代のオリジナルモデルを忠実に再現した、ヴィンテージ感溢れるサウンドが魅力です。一方、Ibanezからは「WD7(生産終了)」や「WH10V3」といった個性的なワウペダルが発売されており、モダンなサウンドを求めるギタリストに人気があります。
最新のワウペダルの中にはオートワウのようにフィルターの幅や強さなどを変えられるものもあります。自分好みのワウにカスタマイズできるので同じ機種でもそれぞれの個性が際立ちます。
オートワウ編
BOSSの「AW-3」は、コンパクトながら多彩な機能を搭載したオートワウの定番モデルです。ギタリストのタッチに反応するダイナミックなワウ効果が特徴的で、手軽にファンキーなサウンドが得られると好評です。フィルターの始点と終点を「母音」でも指定でき、「アウアウ」「オイオイ」といったようなまるで人間が喋っているかの様な効果を得ることもできます。
また、MOOERからは様々な種類のオートワウが発売されており、クラシックなワウサウンドからモダンなトーンまで、幅広い音作りが可能です。
中でも『@Wah』はフィルターの種類をBPF(バンドパスフィルター)かLPF(ローパスフィルター)、もしくはHPF(ハイパスフィルター)かなどを選ぶことができ、多彩なワウサウンドをこの一台で作り出すことができます。BPFは一般的なタイプ、LPFは低域が保てるので音が細くなりにくく、HPFは逆に高域を保つので独特の効果が得られます。
おわりに
いかがでしたか?ワウの基本から応用まで、ワウペダルとオートワウの違いや効果的な使用方法、実機の紹介など、ワウの魅力を感じていただけましたでしょうか!
ワウは、ギタリストの表現力を大きく広げてくれる魅力的なエフェクターです。ペダルを踏み込むタイミングや強さを変えるだけで、ギターサウンドに大きな変化を与えることができます。また、オートワウを使えば、リズミカルなワウ効果を手軽に得ることもできるでしょう。
ワウの魅力は、何よりもその多様性にあります。ブルースやロック、ファンクなど、様々なジャンルで活躍するワウは、ギタリストの個性を引き出す強力なツールと言えます。自分なりのワウの使い方を探求していくことが、オリジナリティあふれるサウンドメイキングにつながるはずです。
本記事で紹介したワウペダルやオートワウは、ほんの一例に過ぎません。実際に試奏して、自分の求めるサウンドに合ったワウを見つけてみてください。きっと、新たな音の世界が広がるはずです!
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