ギター初心者必見!歪みエフェクターの選び方と魅力的な使い方
みなさんこんにちは!
早速ですが、歪み(ひずみ)エフェクターの魅力についてご存じでしょうか?
– オーバードライブが生み出す温かみのある音色
– ディストーションによる迫力のある響き
– ファズのレトロでユニークなサウンド
他にも歪みエフェクターは演奏にたくさんの深みと個性を加えてくれます!
実際、私の周りでも多くの初心者が歪みエフェクターからエフェクターの世界に足を踏み入れている印象です。
しかしギターを始めたばかりの方にとっては、多様なエフェクターの中から自分に合ったものを選ぶのは難しいですよね。
そこでこの記事では、エフェクター初心者の方でも理解しやすいように歪みエフェクターの基本、主要なタイプの特徴から初心者におすすめのモデル、そして設定例まで幅広く紹介するので是非参考にしてみてください!
歪みエフェクターとは? – 基礎知識から掘り下げて
エレキギターの世界において、歪みエフェクターは重要なアイテムのひとつですが、ギター初心者の皆さんにとっては、その多様な種類や特性を理解するのが一つのハードルになるかもしれません。
そこで、まずは歪みエフェクターの基本からゆっくり解き明かしていきましょう!
歪みエフェクターは1960年代に登場したファズから本格的に始まりました。その後、オーバードライブやディストーションといった種類の歪みエフェクターが開発され、ロックやメタルの発展と共に進化を遂げてきました。現在では、ギターの「歪み」はあらゆるジャンルで欠かせない存在となっています。
歪みエフェクターの基本的な仕組みは、シンプルに言うとギターの音を”わざと汚す”ことで、クリーンでまっすぐな音から、ガリガリしたヘヴィな音まで、幅広いサウンドを作り出すことができます。
実は、歪みの正体はいわゆる「音割れ」とほぼ同じようなものです。音割れと聞くとうるさくて不快なイメージがつきものですが、それをいかにカッコよく聴こえるようにするか…各メーカーはしのぎを削って開発しています。
他の楽器ではわざと”音を割って”音色作りをすることはほとんどないでしょう。それだけ「歪み」がエレキギターにとってどれだけ特別なのかお分かりいただけるのではないのでしょうか?
つまり、歪みエフェクターはギターの音に”味付け”をするための道具みたいなものです!これを使うことで、自分の好みの音を作ったり、曲の雰囲気に合わせたサウンドを作ったりできるようになります。
歪みエフェクターを種類ごとに紹介します!
「歪みエフェクター」と一口に言っても、その機種や音色は千差万別です。この項では歪みエフェクターの種類を大まかに3つに分けてそれぞれの特徴を解説していきます。
今回はモデリングアンプ『Fender/Mustang GTX50』に収録されているエフェクターやアンプを用いて収録したサウンドサンプルや代表的な機種も合わせて紹介するので、エフェクター選びの参考にしてみてくださいね。
エフェクターとアンプは、デジタルモデリングにより様々な機種の組み合わせを1台で再現・完結できるFender Mustang GTX50から選択。アンプはRoland JC-120(モデル)を下記のようなセッティングで固定しています。
オーバードライブ:暖かみのある歪みを手に入れよう
オーバードライブは、アンプを大音量で鳴らしたときに生じる歪みを自由な音量で再現することができます。(現在では小音量でもよく歪むアンプもありますが、昔はボリュームを最大にしないと歪まない機種がほとんどでした。)
歪みの深さはクリーンとディストーション(後述)の中間で、温かみや厚みのある音色・ダイナミクスに富んだ表現力が魅力です。
プレイヤーのタッチに敏感に反応するのが特徴で、設定によっては軽いタッチではクリーンに近い音を保ちつつ、強いタッチで歪みを加えることができます。つまり、演奏のニュアンスがそのままサウンドに反映される感覚です。
有名なオーバードライブペダルとしては、Ibanez社のTube Screamer や BOSS社のOD-1(現在は絶版・後継機種あり)が挙げられます。ブルースやロックなどのジャンルで広く使われ、多くのギタリストに愛用されています。
ディストーション:激しいロックサウンドを実現
ディストーションはオーバードライブよりもはるかに強い歪みを提供し、ギターサウンドにエッジと攻撃性をもたらします。このエフェクターは特にハードロックやメタルでその真価を発揮します。
ディストーションの最大の特徴は、高倍音成分の多い歪みにあります。オーバードライブと比べるとサステインも長く、音の立ち上がりが速いのが特徴です。そのためアグレッシブなリフやソロに適しています。
有名なディストーションペダルとしては、BOSS社のDS-1やProCo社のRat等が挙げられます。多くのロックバンドに使用され、ロックサウンドの代名詞的な存在となっています。
オーバードライブとディストーションは共にギターサウンドに歪みを加えるエフェクターですが、その特性と生み出すサウンドには大きな違いがあります。オーバードライブはアンプライクな自然で温かみのある歪みが特徴で、ディストーションはアンプやオーバードライブでは不可能な強烈でエッジの効いたサウンドを作り出すことも可能です。それぞれのエフェクターの個性をしっかり理解して使いこなせるようになると、ギタープレイの幅がグンと広がりますよ!
ファズ:独特の音色で個性を引き出そう
ファズは、オーバードライブやディストーションとはひと味違う非常にユニークな歪みエフェクターです。その起源は1960年代にさかのぼり、調子の悪いミキシングコンソールが生み出した歪みサウンドに当時のギタリストたちが魅了されたことから始まったとされています。(諸説あり)
ファズの最大の特徴は極端に歪んだ独特の音色にあります。まるでラジオから聞こえてくるようなノイジーでレトロな音から現代的でアグレッシブな音まで、ファズは幅広い表情を持っているんです。オーバードライブやディストーションと比べると機種による音色の特徴も「ファズ」と一言ではまとめきれないほど多様で、より極端で実験的なサウンドメイクが可能になります。
ファズは、ジミ・ヘンドリックスやキース・リチャーズといった伝説のギタリストたちに愛されてきたエフェクターです。現代でも、数多くのアーティストがファズを駆使し、ユニークなサウンドを生み出しています。レトロでありながらモダンな表現力を持つファズは、あなたのクリエイティビティを刺激する魅力的なエフェクターと言えるでしょう。
歪みエフェクターのセッティング
歪みエフェクターの基本的な知識と操作方法をしっかり理解して、自分の音楽に取り入れていけるようになることを目指しましょう。正しい知識と使い方を身につけることで、ギタープレイの表現力をグンと広げることができるはずです!
機種によって多少の違いはあれど、ほとんどの歪みエフェクターには共通して下記のような役割を持ったノブがついています。
ゲイン(またはドライブ)
歪みの量を調整します。ゲインが高いほど、より強い歪みが得られます。あくまで一例ですが、オーバードライブではゲインを適度に設定し温かみのあるサウンドを、ディストーションではゲインを上げてアグレッシブなサウンドを作ることが多いです。ただしゲインを上げすぎると音がこもって汚れてしまい、音楽的な表現が失われることがあります。程よい設定を心がけましょう。
トーン(またはEQ)
エフェクターの音色を調整します。高めの設定で明るい音色、低めの設定で暗めの音色が得られます。歪みが深いほど音の密度も増える(難しく言うと「倍音が増える」)ので、ゲインの後に音が通るトーンが及ぼす音色の変化も大きくなります。
他の楽器とのバランスを考慮することも大切です。
レベル(またはボリューム)
エフェクターの出力レベルを調整します。エフェクターのオン・オフ(バイパス)で音量が極端に変わらないよう、バイパス時とのバランスを整えましょう。
特に初めて使う場合、予期せず大きな音が出ることがあるので一旦0まで絞り切ってから徐々に上げていきましょう。耳だけでなく、アンプなど他の機材を痛めずに済みます。
レベルの設定が適切でないと、ソロでカッコよく目立ちたいのに「音が全然聴こえない…」なんてことにも。逆に大きすぎると、自分の演奏を引き立ててくれるはずの他のパートの演奏も台無しになってしまうので注意しましょう。(下のサウンドサンプルの後半でオーバードライブをONにした際の音量変化を確認できます)
この3つのパラメーターを操作することで、歪みエフェクターのサウンドをコントロールします。初心者の方は、まずゲインから調整してみて、次第にトーンで音色を整え、最後にレベルを調整するのがおすすめです。あまり複雑に考えず、自分の耳で心地良いと感じるサウンドを探してみてください。
効果的な使い方のコツ
歪みエフェクターを使うことでギターの音色は大きく変化し、表現の幅が広がります。でも、エフェクターを効果的に使いこなすにはいくつかのコツを押さえておくことが重要です。ここでは初心者の皆さんにも覚えてほしい使い方のコツを紹介しますね。
・目指したいプレイヤーに近いタイプを選ぶ:エフェクターを選ぶ際は、まずは自分の好きな音楽やプレイスタイルに合ったタイプを選んでください。そして、シンプルな操作性のものから始めることをおすすめします。
・一つずつ設定を理解する:最初は一つのノブに集中して、そのパラメーターが音にどう影響するかを確認しましょう。全てのノブを一度に動かすのは避けた方が良いですよ。
・一度設定すればOK…ではない:自宅練習とバンド練習、ライブでは環境が異なるので、その都度セッティングを微調整する必要があります。柔軟に対応しましょう。
・終わりなきサウンドメイクの旅へ:様々な設定を試して、自分なりのベストサウンドを追求してください。それが上達への近道です。
アンプとの組み合わせも大事
「前にセッティングした時とアンプが違うけど、同じつまみでセッティングすればいいか…」というのは禁物。
エフェクターが一台一台違うのと同じように、アンプもそれぞれ個性があります。
さらに、同じメーカーの同じ機種でも年式や状態によっては同じセッティングでも音色が異なることもしばしば…
エフェクターの設定がバッチリ決まったら、アンプのセッティングも見直してあげましょう。
下のサウンドサンプルは、エフェクターとギターの設定は変えずにアンプのみを変えた場合の音色の違いを聴き比べることができます。つまみの位置も同じですが、大きく音色が変わっていることが感じられるはずです。
※この点では記事内のサウンドサンプルでも使用している『Roland JC-120』というアンプがおすすめです!(サウンドサンプルでは実機ではなくモデリングアンプです)
日本のスタジオやライブハウスではほぼ必ずと言っていいほど同じ機種を使うことができ、年式による仕様変更もほとんどないうえにコンディションが他のアンプに比べて圧倒的に安定しているのでセッティングの再現性も抜群です。
エフェクターの組み合わせ方にも注意
どんなエフェクターでも、『そのエフェクターを通る前の音』に対して効果を加えます。それぞれの効果がどのように影響し合うかを意識しましょう。
一般的には、コンプレッサー → 歪み系 → モジュレーション系 → ディレイ・リバーブの順番で配置します。
例えば逆に、歪み系の前にリバーブ(ホールのような響きを付加するエフェクター)を繋いでしまうと「リバーブによって響いた音そのものが歪む」というとても不自然な状態になってしまいます。あえてそういった効果を狙いたい…とかでもない限りは避けるべきでしょう。
ちなみにリバーブについては下の記事で詳しく紹介しています。こちらも是非参考にしてあなたのギターサウンドをさらに魅力的にしていきましょう!
初心者におすすめのセッティング例
ここでは各タイプの歪み系エフェクターで2つずつ音色の異なるセッティング例を紹介していきます。
アンプのセッティングとの組み合わせも重要なので、アンプのセッティング図も参考にしてみてくださいね。
オーバードライブ
キレのいいカッティングからブルージーなソロにまで使えるクランチ
エフェクターのGAIN(DRIVE)は強く弾いた時に一瞬歪むくらい、TONEは歯切れを良くするためにやや上げ目にします。
アンプはBRIGHTスイッチを入れて(またはPRESENCEつまみを上げ目にして)「ジャキジャキ」した感じを出しつつ、TREBLEを落として耳に痛くないようにします。MIDもやや下げ目にすることでスッキリした印象を持たせます。BASSは適度に上げると軽過ぎず迫力を保つことができます。
テレキャスターのピックアップセレクターをセンターにすればカッコいいカッティングサウンドの完成です。フロントにしてもピッキングの強弱を生かしたソロを弾くのが楽しいですよ。
フュージョンなどに使えるピッキングニュアンスが生きる歪み
エフェクターのGAINはピックングの強弱で深さが変わる程度に、TONEはやや上げ目でピッキングニュアンスを引き立たせます。
アンプはTREBLEを絞って耳に痛くない音にしましょう。
サウンドサンプルではレスポールでリアピックアップを選び、指弾きをしています。ジャズやブルースっぽいフレーズを弾きたくなるような粘りのある音色になります。
ディストーション
単音カッティングの歯切れ良さが気持ちいいクランチ
エフェクターのGAIN(画像ではDIST)は最低にします。
TONEやアンプのTREBLEはJC-120の「ハイがきつい」特性を考慮して控えめに、BASSも音の切れ方を良くするために下げます。
ディストーションをローゲインで使うと、オーバードライブと同じくらいの深さの歪みでありながら歯切れの良いクランチサウンドが得られます。
深く、きめの細かい歪みでハードロックやメタルに使えるセッティング
エフェクターのGAINはピッキングの強弱で歪みの深さが変わってこなくなるまで上げます。(かといって上げすぎは禁物) TONEはかなり絞り込んでジャリジャリとした音の荒さを取ります。レスポールなどのハムバッカーを搭載したギターの方が相性が良いでしょう。
TONEを絞ることで音のこもりまで出てしまうので、アンプのTREBLEは上げておきます。
エフェクターのTONEつまみとアンプのイコライザーでは音色への影響の仕方が異なるので、それぞれをうまく使い分けるのがミソです。
ファズ
ファズは「沼」と言われるほど、その世界が深いと言われています。実際にもオーバードライブやディストーションと同じくらいに数多の種類のファズがありますが、あまりにもそれぞれの音色の個性が異なるので…ここでは『Z.VEX/Fuzz Factory』を例に、ファズならではの特徴を生かした音色を2つ紹介します。
「深いのに歯切れ良い」歪み
音が潰れるくらい激しく歪んでいるにも関わらず、音がピタッと止まるようにセッティングできるのはファズならではです。だからカッティングライクなプレイも可能!(機種によります)
どれだけ感情的になって激しくプレイしてもファズは全て受け止め、芸術に昇華してくれるのです…
ギターのVOLつまみでクランチからメタラーもびっくりな超極悪サウンド
ファズとギターのセッティングをうまく組み合わせることで、一度ファズをセッティングしてしまえば独特のクランチからどんなディストーションにも真似できない底無しの歪みを『ギターのVOLUMEつまみ』の操作一つで叶えることができます。脳天を突き破るそのサウンドはクセになること間違いなしです。
歪みエフェクターを上手に使いこなすには、経験と実践が何より大切です。基本的なことをしっかりと理解した上で、色々な設定を試してみてください。そして何より、自分なりの音作りを楽しむことが、ギタリストとしての成長に繋がります。
おわりに
ここまで、歪みエフェクターの基本、オーバードライブ/ディストーション/ファズとそれぞれの音色の特徴、また、エフェクターを上手に使うコツや、実際に使えるセッティング例もご紹介しました!
しかしギターを弾く上で、エフェクターは単なる道具ではありません。自分を表現するための手段であり、音楽をもっと深く探求するきっかけでもあります。歪みエフェクターが生み出す多彩なサウンドは、きっと演奏にさらなる楽しさと発見をもたらしてくれるはずです。
この記事で紹介したセッティング例を試してみるのも基礎を固める上ですごく効果的になるはずですが、エフェクターを使う上で何より大事なのは、一般的なセッティングを参考にしながらも最終的には自分の耳と感性を信じることです。そこからゆっくりと自分だけのサウンドを見つけていきましょう!
他にもギターサウンドやプレイを魅力的にするノウハウを続々投稿予定です!
下記の記事もぜひ参考にしてくださいね!
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