【俺が主役!】ドラマーのためのパフォーマンス講座
皆さん、こんにちは!ドラム講師の西井啓介です!
早速ですが、こんな風に思ったことのあるドラマーさんはきっと少なくないでしょう。
「ドラマーって座ってて自由に動けないし、ドラムセットに囲まれてるから見えにくいし、
そもそもステージの後ろの方にセッティングされる事が多いし、なんだかなぁ…もうちょっと目立ちたいなぁ…」
はい。お気持ち、よく分かります(笑)
今回はそんなモヤモヤを上手に解消できる対処法につて書いていこうと思います!
①大きい音や難しいフレーズで目立とうとするのはNG
まず、気をつけなくてはいけない事から!
自分にも経験がありますが、これは本当にNGです。
上手くカッコよく見せようとするあまり、必要以上に大きな音で叩いたり、
やったことのない難解なフレーズを叩こうとしたりする事は、音楽を壊してしまいかねません。
一緒に演奏しているメンバー、お客さん、自分、その空間で発生している音楽をしっかりと感じた中で、
できる限りの演奏をする事が1番カッコいいはず!
自分のことだけを考えた勝手なプレイをしないように、まず心に留めておきましょう!
②タイミングを逃さない
例えば大サビ直前のブレイクや、キメ。また、エンディングトーンでかき回している時のように、
比較的ウデの動きに余裕があるタイミングは目立ちのチャンスです。
こういった場面では
・いつもより大きく腕を振る
・空白でスティックを高く突き上げる
・余裕があれば!一周でいいからスティックを回す
あたりを意識するだけでグッと魅力が増すはずです。
ただただ譜面をなぞって演奏するだけではなくて、
ここぞ!のシーンで一瞬でもインパクトのある動きをしましょう!
「音楽を体全体で表現しよう!」とする姿勢には人を惹きつけるパワーがあります。
1回のライブに一度だけでもこういった瞬間があると印象に残りますよね。
③顔で叩く
まさにです。僕はこんなドラマーが大好きです。
笑顔でめちゃくちゃ楽しそう!なプレイや、しかめっつらで魂込めて叩くソロ、
誰かのプレイに一瞬でもニヤッとしたり、真剣な顔で叩くバラードだったり。
この曲のどういうシーンを演奏しているのか、自分はどういう心情なのか、他の人はどんなプレイをしているのか、といった部分をしっかりイメージして叩けば自然と表情に現れてくるはず。
きっと観ている人も、パターンやフレーズではなくて
「どんな人がどんな音楽をどんな風に演奏しているのか」を感じています。
あの人、いい顔で叩いてたなー!って言われるの、最高です。
④立つ
シンプルにこれです。普段座ってる人が立てばそりゃ目立ちますよねw
いろんなパターンがありますが、
・サビ前とかの一瞬の空白で立って煽る
・ドラムが抜ける場面で立つ
・MC中に立つ
・立っておりゃーって叩く
こんな感じでしょうか…!
僕はよくMC中や、お客さんを煽るタイミングで椅子の上に立ったりしてました…w
が!もちろん、タイミングや立ち方は考えないといけません!
真剣なMC中や、ドラムが抜けて静かに聴かせる場面で、わっ!と立つのは空気を壊しますよね。
反対に盛り上がっているタイミングや、煽りたいタイミングは分かりやすく狙えます。
また、静かなシーンでも、クールな雰囲気で立ち上がったりすると、
熱や感情が上手く伝わる場面もあると思います。
曲の雰囲気に合わせて、「演じる」事も大切だという事。
顔で叩く話とも繋がりますが、
どんな曲でどんな場面でどんな心情でいるのか、を表現するひとつの手段である事を意識しておきましょう。
⑤まだまだある ドラマーが目立つ方法
・光るスティックを使う
分かりやすく目立ちますね。照明さんに協力してもらい、
ここぞの場面だけ暗くしてもらってスティックを持ち替えるというのもありです。
・セッティングを考える
1枚だけシンバルを思いっきり高くセッティングしたり、
逆に、椅子をほぼ立つぐらい高くしてドラムを低くセッティングする人もいます。
タムやシンバルの数を増やすのもいいですし、
バスドラとハイハットとスネアだけ!みたいにシンプルにするのもありです。
・そもそも前に出ておく
ジャズのピアノトリオをイメージしてもらうと分かりやすいかもしれません。
ベースがセンター奥にいて、上手下手にそれぞれドラムとピアノが配置されているような形ですね。
ピアノトリオに限らず、だいたい上手(ステージを見て右側)の前の方にドラムがセッティングされるバンドは結構あります。個人的には外音も聴きやすくなるので好きな配置です。(目立つし!)
パフォーマンスが最高なドラマーをご紹介!
僕が選ぶパフォーマンスが最高なドラマーを挙げてみました!
プレイ内容はもちろん素晴らしいのですが、叩いている姿や表情、
動画でも素晴らしいですが、
【茂木欣一さん(東京スカパラダイスオーケストラ、
演奏中の表情がたまらなくカッコいいですし、
【航さん[H ZETT KOU](H ZEETRIO、ex.PE’Z)】
セッティングがとにかくシンプル。
H ZEETRIOでは立って叩いているのに、
【みどりんさん(SOIL&”PIMP”SESSIONS)】
曲調や場面での、
まとめ
いかがでしたでしょうか?
どのパターンにも共通するのは、「音楽の中で表現する」という意識が大切!という事です。
むやみなアピールや、意味のない動作は逆効果。
いまどんな音楽が発生しているのか、自分は何を叩いているのか、
みんなは何をしているのか、何が起きているのか、どんな心情なのか。
しっかりと意識をして演奏しながら、全てを引き立てるようなプラスアルファを考えることが、
魅力のあるドラマー=目立つドラマーへの一歩なのだと思います。
立ったら座る練習もしておきましょうねw
焦るとコケますw
ではまたお会いしましょう!
西井 啓介
オトノミチシルベ ドラム科講師。
1985年9月14日生まれ。AB型。三重県伊賀市出身。
中学の時、クラスメイトとバンドを組むべくドラムを始め、中学〜高校は野球とバンド活動に励む。
京都大学に進学後はジャズサークルに所属。京大のビッグバンドDark Blue New Sounds Orchesta'06のバンドマスターも務める。
在学中から本格的に音楽活動を開始。ジャズをベースにしながらもジャンルにとらわれないオールラウンドなドラムで、関西を中心に様々なバンド、サポート、レコーディングに参加。
2011年、大阪発インストバンド「Calmera」に加入。ワーナーミュージュク・ジャパンからリリースされた2枚のアルバムを含む、7枚のアルバムをリリース。
2013年には「SUMMER SONIC」、2011年から2016年の6年連続での「Sunset Live」など、大型フェスへの出演も多数。
「YATSUI FESTIVAL」や音楽バラエティ番組、コーラスグループ・サーカスや大西ユカリ、SOFFet、Negicco、きいやま商店などのバックバンドも行うなど、サポート活動も多数。大阪・なんばHatchにて1000人以上を動員したワンマンライブを開催、韓国や台湾といった海外でも精力的に活動。2017年、同バンド脱退。
2012年には大阪のユニバーサル・スタジオ・ジャパンにて1年間レギュラーショーやパレードに出演。
2014年からTAMA Drumsとエンドーサー契約。2016年には小出シンバル新作の制作協力も行う。
2018年より、千葉の某テーマパークバンドに所属しレギュラーショー、イベントなどに出演するなど、現在も様々なフィールドで活動中。