【聴き上手=聞き上手?】日常会話で『セッション力』を鍛えるために
皆さん、こんにちは!ドラム講師の西井啓介です!
生徒さんから
「セッションのソロのバッキングで何をやったらいいのか分からない…」とか
「他の人と演奏が合ってるかどうかが分からない…」
との質問がよくあります。
確かに!
ソリストのフレーズに合わせて演奏したり、曲の雰囲気に合わせて抑揚をつけたり。
アドリブやニュアンスといったものは楽譜に書かれていないので、何をすればいいのか、具体的に何が正解なのかを感じとるのはとても難しいですよね。
僕にも経験がありますが、
「こんな感じで叩いててOKかな…?」とか
「このフレーズいっぱい練習したしがんばって成功させるぞ!」とか思っていると、
曲が終わっていた…みんなどんな演奏してたっけ…?という事態に陥ることもあるかと思います。
日常のコミュニケーションを音楽にも活かしてみよう!
良い演奏をする為には、もちろん演奏力・技術を上げたり、音楽的な知識を身につける事が必要なのは言うまでもありません。が、
ものすごいフレーズが演奏できる人だからといって「一緒に演奏していて気持ちいい」かどうかは別問題ですよね。また、どれだけ完璧に譜面を演奏できる人との合奏でも「一緒に演奏できている感覚」が無い事だって沢山あります。
では、セッションやアンサンブルが上手い人は他にどういった能力があるのでしょうか?
それはズバリ!「コミュニケーション力」です!
一緒に演奏していて気持ちのいい人は、演奏技術はもちろんながら「人の音をよく聴き、自分のやりたい事をしっかり伝えることができる」人ではないでしょうか。いわゆる「音で会話できている」人。
少し抽象的で分かりにくいかもしれないので、日常生活に置き換えて考えてみましょう。
皆さんのまわりに会話が上手い人っていますよね?きっとその人は、ただただ自分の話をするだけでは無いし、他人の話にそっけない態度をとるわけでも無いでしょう。聞き上手、話し上手ってやつですね。
会話はキャッチボールだと言われますが、その通りです。人の話をよく聞き、相手の意図を汲み取った上で、こちらの話もします。また、相手にこんな風に感じてほしいなと考えて話を切り出したりします。
自分の話ばかり一生懸命する人や、ただただ頷いている人を会話上手とは言いません。
この例を音楽に戻してみるとイメージしやすいかと思います!
自分の考えているフレーズを一生懸命演奏するだけだったり、他の人の演奏内容を聴かずリアクションしなかったり。そういったプレイはやはり一緒に演っていて気持ちよくないですし、いくら技術があっても良い演奏に結びつきません。
話が盛り上がったり、オチが生まれたりするのは自分と相手が意図をしっかり汲み取り合いながら会話を進めるからですよね。
音楽も同じで、一緒に演奏する人に「伝えよう」としたり、相手が何を考えながら演奏しているのか「汲み取ろう」とすれば、音での会話ができ、良い演奏に繋がる第一歩になるのではないでしょうか。
聴き上手になる為に聞き上手へ!
では、何をすれば音で会話をする能力が伸びるのか。
前述のように、演奏技術や知識をつけるのはもちろんですが、もっと普段の生活で鍛える事ができるはず…
そうです。
人と沢山会話をすればいいのです!
…と、まぁそんな単純な訳もなく…闇雲に話をするだけではなかなか変わりません。
まずは自分の周りにいる会話上手な人の観察をしてみましょう。
自分と何が違うのか、なぜ上手く会話ができるのかが見えてきます。
僕の周りにも会話上手な方がたくさんいらっしゃるので、自分が気をつけていることも含めて、その特徴をまとめてみました。次のことをしっかりと意識してみると、音楽にも繋がるコミュニケーション力を身につける事ができると思いますよ!
会話が上手な人の特徴
1.相手の話をただ聞くだけではなく、相手が伝えたい事を汲み取ろう!
ストレートに話ができる人だけではありません。表面的に相手の話を捉えるだけではなくて、何故その話を自分にしてくれているのか、何を伝えようとしているかを意識して話を聞くようにしましょう。
2.相手がどう思うかを意識して自分の話を伝えるようにしよう!
自分の話を一生懸命するだけでなく、相手がどう捉えるか、また、相手にどう感じて欲しいかまでイメージしながら話をしましょう。
3.話の流れをどうしていきたいかを意識しながら会話しよう!
その時その時の話の内容だけでなく、最終的にどこに持っていきたいか、その為にはどうすればいいかという流れを意識して会話を進めてみましょう。
4.言葉遊びを楽しもう!
経験上、アドリブが上手い人はダジャレや連想ゲームが得意だと思います。
例えば「バナナ」というワードに「美味しいよね」と返すだけではなく、「バナナといえばフィリピンだけど、
パッキャオっていうボクサーがさ…」とか、「バナナ→877→100引いたら777ですね!めでたい!」とか…
ひとつのワードから何か別の発想ができないか?という訓練を日々やってみましょう。
普段からコミュニケーションを大切に
普段の生活からより深く楽しくコミュニケーションをとる事で、きっと音楽にもその力が活きてくると思います。
相手が出している音に、
「どんな気持ちなのかな?」
「こちらには何をして欲しいのかな?」
「じゃあこういうアプローチはどう?」
「やっぱりそうだよね!」
というようなリアクションをお互いがする事で音楽は広がっていきますよね!
会話と同じく、音楽はひとりでやるものではありません。一緒に演奏するメンバーや聴いてくれる人、多くの人の中で自分も演奏している事を認識すると、また違った景色が見えてくるはずですよ!
普段からコミュニケーションを意識して、素晴らしい音楽に繋げてみてください!
↓西井先生のセッション動画はこちら!
西井 啓介
オトノミチシルベ ドラム科講師。
1985年9月14日生まれ。AB型。三重県伊賀市出身。
中学の時、クラスメイトとバンドを組むべくドラムを始め、中学〜高校は野球とバンド活動に励む。
京都大学に進学後はジャズサークルに所属。京大のビッグバンドDark Blue New Sounds Orchesta'06のバンドマスターも務める。
在学中から本格的に音楽活動を開始。ジャズをベースにしながらもジャンルにとらわれないオールラウンドなドラムで、関西を中心に様々なバンド、サポート、レコーディングに参加。
2011年、大阪発インストバンド「Calmera」に加入。ワーナーミュージュク・ジャパンからリリースされた2枚のアルバムを含む、7枚のアルバムをリリース。
2013年には「SUMMER SONIC」、2011年から2016年の6年連続での「Sunset Live」など、大型フェスへの出演も多数。
「YATSUI FESTIVAL」や音楽バラエティ番組、コーラスグループ・サーカスや大西ユカリ、SOFFet、Negicco、きいやま商店などのバックバンドも行うなど、サポート活動も多数。大阪・なんばHatchにて1000人以上を動員したワンマンライブを開催、韓国や台湾といった海外でも精力的に活動。2017年、同バンド脱退。
2012年には大阪のユニバーサル・スタジオ・ジャパンにて1年間レギュラーショーやパレードに出演。
2014年からTAMA Drumsとエンドーサー契約。2016年には小出シンバル新作の制作協力も行う。
2018年より、千葉の某テーマパークバンドに所属しレギュラーショー、イベントなどに出演するなど、現在も様々なフィールドで活動中。