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『キモチはオトに、変えられる』プロミュージシャン直伝の音楽教室
『キモチはオトに、変えられる』

プロミュージシャン直伝の音楽教室

ドラムを『叩く!』という意識が及ぼす悪影響とは?

皆さんこんにちは!ドラム講師の西井啓介です!

今回は、ダウンとアップについて書いてみようと思います。
少し突っ込んで『ウラ』とか『オモテ』の関係性も考えてみます。

ドラマーの方ではなくても参考になる部分があると思いますので、ぜひ最後まで読んでみてください。

【叩く!という意識がさまたげているもの】

次のような事で悩んでいる人は少なくないと思います。

力んでしまいすぐ疲れる。
上手くリズムが取れない。
キレイな音色がだせない。
粒が揃わない。
ノリが悪いと言われる。

いい感じの音色とリズムを最初から最後までキープするのはとても難しいですよね。。

演奏をするときに、「叩こう!」と意識することはもちろん必要なのですが、
「振り下ろすこと」だけを考えるとどうしても力んでしまいます。
さらに、音を出したいタイミングを直接狙いにいく感覚になるので、リズムを点のみで捉えることになります。
これにより、音が濁ってしまったり、ツブが揃いにくくなったり、良いリズムが生まれにくくなったりしています。

では、どういった事を意識すれば、良い音色やリズムを出しやすくなるのでしょうか。

【「振り下ろす」ではなく「持ち上げる」】

ドラムでいうと、スティックを振り下ろした先に楽器があって音が出ますよね。
ピアノも鍵盤を押せば、ギターやベースだと弦をはじけば、管楽器だと息を入れれば音が出ると思います。

が、どの動作に対してもその前にやっている事ってありますよね!?

そう、スティックや腕を持ち上げたり、息を吸うことですね!
息は吸わないと吐けないし、腕は持ち上げないとおろせません。

と考えると、
叩こうとするときに、振り下ろす!よりも前に「どう持ち上げるか」を意識しないのは変ですよねぇ

僕はこれを予備動作と言っていますが、予備動作を意識する事で体はもっと自然に動くはず。

謂わゆる「叩く!」だけを意識するのは不自然に体を動かしている状態に近いと思います。
つまり力んでいる状態です。
予備動作を意識し、自然に体を動かすことで、体の力みがとれて良いリズムに繋がっていくのではないでしょうか。

【まずは手拍子でトレーニング!】

ではまず、分かりやすく手拍子を例にして考えてみましょう!
例えばテンポ604分音符でクリックを鳴らして、それに合わせて手拍子をします。

①振り下ろす事を意識しすぎている例

画像のように手を開いたところからスタートして、クリックがなるタイミングに合わせて手を叩きにいっています。
で、また手を大きく開いてという流れなので、
1 & 2 & 3 & 4 &」の「1,2,3,4」に対してだけ点で狙いにいっている感覚になります。
リズムを流れで捉えにくいですね。さらに、この打ち方だとどうしても力みやすくなってしまいます。


②予備動作を意識した例

こちらは画像のように両手を重ねた状態からスタートし、
&」のタイミング、つまりウラ拍で手を離す事をしっかりと意識します。
で、オモテ拍で両手を元の位置に戻す、という感覚でやってみましょう。

この場合は、腕を持ち上げる事のみを意識するようになるので、力みがほぼありません。
また、動きもコンパクトなのでリズムのブレも出にくいと思います。

後者の手拍子のやり方を常に意識すれば自ずと脱力してリズムをとる感覚が身についてくると思います。
点で狙いにいくのではなく、体全体の動きとしてリズムの流れを捉えている感覚ですね。

【つまり「ダウン」より「アップ」を意識しようという事】

ここでいう「ダウン」や「アップ」は、
ダウンストロークやアップストロークの事を具体的に指している訳ではありません。
(結果的にこの話はストロークなどにも繋がっていくのですが、今回の記事ではそこまで追求しない事にします。
長くなってしまうので

「振り下ろす、つまりダウンさせる」動きの前には必ず、
「腕を持ち上げる、つまりアップさせる」動きが予備動作として存在します。
アップモーションが無いと、基本的には打てないのです。

どこのタイミングで打とう!と考えるよりも、
“どのタイミングでアップしよう”
“どのタイミングで予備動作を開始しよう” 
と意識すれば、
結果的によいタイミングでダウンすることができ、体全体でリズムを捉える事になります。

【リズムの捉え方が変わる】

1 & 2 & 3 & 4 &」というリズムの取り方に対して、どうしても
1 & ,  2 & ,  3 & ,  4 &
というように「オモテとウラ」のペアで考えてしまいがちです。
これがノリがベターっとしてしまったり、イマイチ掴めない原因になっている事があります。

しかし、アップしてからダウンの意識をしっかりと持てば
1,  & 2 ,  & 3 ,  & 4 ,  &
というように「ウラからオモテ」のペアで考えることができます!

アップしてダウン、アップしてダウン、アップしてダウン、、、、、
この感覚を自然に持てるようになると、リズムも活きてきますし、ノリが掴みやすくなると思います。
これが謂わゆる、ウラからリズムを取るというやつですね。

【しつこいけど何度でも言います】

基本的には、スティックを持ち上げないと振り下ろせません。
言い換えると、アップさせるモーションがないと、ダウンできません。
振り下ろす事ばかりを考えていると、自然に体が動いていないという事なります。

「アップしてダウン、アップしてダウン、アップしてダウン、、、、」

1, & 2 ,& 3 ,& 4 ,& 1, & 2 ,& 3 ,& 4 ,& 1,,,,

呪文のように唱え続けて、体に染み込ませてみてください!

体の動きをしっかりと意識する!
具体的にいうと、予備動作をしっかり意識するれば、自然にリズムがウラからとれて、
スティックが気持ちよく動いてくれます。
スティックを振ることよりも、どう体を動かすかというのが大切なんですよね。

しつこく言いますが、
全ての動作には基本的に予備動作がある

それを意識すればリズムを捉えやすくなる
さらに脱力もできる
ツブも揃えやすくなる
いいノリが生まれてくる

「アップしてダウン、アップしてダウン、アップしてダウン、、、、」

1, & 2 ,& 3 ,& 4 ,& 1, & 2 ,& 3 ,& 4 ,& 1,,,,

まずは手拍子から練習してみましょう!
長い文章でしたが最後まで読んでいただきありがとうございました!

皆さまに素晴らしい音楽生活が訪れますように!またお会いしましょう!

西井 啓介

オトノミチシルベ ドラム科講師。

1985年9月14日生まれ。AB型。三重県伊賀市出身。

中学の時、クラスメイトとバンドを組むべくドラムを始め、中学〜高校は野球とバンド活動に励む。

京都大学に進学後はジャズサークルに所属。京大のビッグバンドDark Blue New Sounds Orchesta'06のバンドマスターも務める。

在学中から本格的に音楽活動を開始。ジャズをベースにしながらもジャンルにとらわれないオールラウンドなドラムで、関西を中心に様々なバンド、サポート、レコーディングに参加。

2011年、大阪発インストバンド「Calmera」に加入。ワーナーミュージュク・ジャパンからリリースされた2枚のアルバムを含む、7枚のアルバムをリリース。

2013年には「SUMMER SONIC」、2011年から2016年の6年連続での「Sunset Live」など、大型フェスへの出演も多数。

「YATSUI FESTIVAL」や音楽バラエティ番組、コーラスグループ・サーカスや大西ユカリ、SOFFet、Negicco、きいやま商店などのバックバンドも行うなど、サポート活動も多数。大阪・なんばHatchにて1000人以上を動員したワンマンライブを開催、韓国や台湾といった海外でも精力的に活動。2017年、同バンド脱退。

2012年には大阪のユニバーサル・スタジオ・ジャパンにて1年間レギュラーショーやパレードに出演。

2014年からTAMA Drumsとエンドーサー契約。2016年には小出シンバル新作の制作協力も行う。

2018年より、千葉の某テーマパークバンドに所属しレギュラーショー、イベントなどに出演するなど、現在も様々なフィールドで活動中。

西井 啓介先生のレッスンはこちら

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