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『キモチはオトに、変えられる』プロミュージシャン直伝の音楽教室
『キモチはオトに、変えられる』

プロミュージシャン直伝の音楽教室

【レスポール×ストラト企画②】不朽の名器 (大野玲史 著)

初めまして、ギター・ウクレレ科講師の大野玲史です。
今回は僕も愛用しているギター、ストラトキャスター(以下:ストラト)について語らせて頂きます。

『エレキギター』でGoogle検索していただくと画像で1ページ目に出てくるほどメジャーなシェイプのギターがストラトですが、世界中で愛用者が多い事にはちゃんと理由があります。

汎用性や弾きやすさ、その他諸々ありますが、それ系の記事や動画は巷に溢れかえっていますので…
今回はギターを始めて手にしてからおおよそ16年間ストラト
をメインで引き続けた僕の主観メインの記事をお届けしたいと思います!

これから書く内容は

●エレキを始めたいor始めたてだが、ギター選びに困っている
●現在は他のギターを使っているが、ストラトを購入を検討している
●ストラトユーザーに心から共感したい
●現在ストラトを愛用しているがもっと使いこなしたい

といった方々に参考いただける内容かと思います。
すでにストラトという文字がゲシュタルト崩壊しつつありますが、最後までお付き合いください!
それでは最初のトピックに行ってみましょう!

愛機との出会い

いきなりカミングアウトですが…僕、元々はSGが欲しかったんです!笑
ギターを始めたきっかけは、14歳の時に父と川崎駅前の映画館で見た「School Of Rock」というアメリカの映画でした。
ジャック・ブラック氏が主演を飾る映画で内容はコメディーなのですが、ジャック・ブラック氏が劇中にSGギターを弾き倒す姿に見惚れ、ギターを始めることを決意します。
帰宅後に父から90’sのFender Japanのストラトを貸してもらったのが、ストラトとの出会いだったのです。


それからお小遣いを貯めて念願のSGを購入し、
他にも変形ギター(ジャーマンメタルにハ
マった時)、テレキャスター(ギターロックにハマった時)、
他ES335なども手にしまし
たが、
ステージに立った時肩から掛けていたギターはいつもストラトでした。


手に吸い付くようなネックシェイプ、体にフィットするボディ
シェイプ、
直感的にサウンドメイクしやすい5wayピックアップセレクター、
なによりしな
やかなサウンド、表現したい音を正直にアウトプットしてくれる。
これが僕がストラトをずっと使っている何よりの理由です。
これはまだまだストラト愛の序章に過ぎないので、ここからは自慢の愛機の紹介も含めて深く掘っていきますね。

愛機の紹介!

様々な遍歴を重ね現在所持しているストラトをご紹介します。


①SVL 61’ Reserve

趣味全開のメインギターです。

ボディ:アルダー
指板:ダークカタロックス

クリーン~クランチで果汁マシマシの芳醇サウンド、オーバードライブでは芯が太く、
ディストーションは潰れずに噛み付いてくれるバイト感、何よりルックスも最高。

信頼できるリペアマンに相談し、ピックアップのセレクトを7wayに改造してもらっています(toneポッドをスイッチにしリア&フロントmix、リア&センター&フロントの全部mixを追加)。これすごくオススメです!
リア&フロントmixはDavid Gilmour氏も採用しているセレクトでコリっとしたテレキャスライクな触感が特徴的。
リア&センター&フロントの全部mixは適度なコンプレッション
が乗りカッティングにピッタリ!
コードをかき鳴らした際にはジャクッとしたジャズマス
ターのような香りも楽しめます。

さらにはより細かに安定したチューニングを追い込めるようペグもGOTOH社とリペアマンさんが共同開発されたものに付け替えています。
この手のヴィンテージライクなギターは本体のセッティングによっては倍音が散らばりすぎる事もあるのですが、そこも補強できています。
ルックスも某JMっぽいですよね、大好きなんです。

②Fender Custom Shop 60’s Stratocaster Closet Classic(2010年製)

僕が20歳になった時、ギター弾きを仕事にする決心をして購入した大切なギターです。

ボディ:アルダー
指板:ローズウッド

当時やっていたバンドのサウンドメイクに一役買っていたのは外でもないこのギターです。
正直今のFenderはヴィンテージモデルであったとしても、リアルヴィンテージとは全く違う方向性を持っていると個人的に感じるのですが、それでも使いやすさや取り回しの良さなど良い点は沢山あります。

この子は特にドライブサウンドやコンプを掛けたクリーントーンが得意で、
ハードなサウ
ンドがメインで求められるライブやレコーディングで今でも大活躍してくれています。
難しいこと抜きに長年使っていると「やっぱこれだね!」って思えるし、
思い出
深いギターが手元にいてくれている安心感って精神衛生上大切だなと思います。

③Freedom Custom Guitar Research Hydra Classic

無理言って仕様変更してもらった初のオーダーギターです。

ボディ:アルダー
指板:ローズウッド

持っている中で唯一国産のストラト(タイプ)です。
フリーダムさんには多々お世話になっており、
職人さんの顔や人柄も存じていたので「フリーダムの皆さんにギターを作ってもらいたいんです!」という一心で製作していただいた子です。

サウンドはとにかくアンサンブルで抜ける!これにつきます。
僕が所持しているギターの中でも特に真面目な子で、
ラインを通した宅録や大人数のアン
サンブル、ライブで同期が走る曲(既に録音されている音源を流しながら同時に演奏する曲)などで大活躍するギターです。
決してピックアップの出力が強いわけではないのでクランチでのフレーズもジューシーに響き、
クリーン~ディストーションどのサウンドでも自分の立ち位置をしっかりと示して
くれる心強い相棒。
まさにTHE仕事人です。

上記3つのギターが今の相棒です。
曲や雰囲気によって使い分けるのですが、

ヴィンテージ系は①SVL
ヴィンテージ~モダンの中間は②Fender Custom Shop
モダン系は③FCGR

ざっくり分けるとこんな感じで活躍してもらっています。
難しいことは抜きにすると、ギター選びに関しては
・ずっと弾いていられる心地よさ
・ずっと見ていられるルックスのよさ
僕はこの2点に尽きると思います。これに関してはストラト以外でも大事だと思いますよ!

スタジオ常設アンプのオススメセッティング

おすすめセッティングですが、これは正直申し上げるとストラトは様々な仕様の違いがあり、
個体差や状態もあり、さらにはほぼオールジャンル対応できるので好みの問題になっ
てきます。
しかもアンプの状態や他楽器の出音によってアンサンブル内での聴こえ方が微
妙に変わってくるので全く同じになるとは限りません。

ですのでこの項目においては

ギター:アルダーボディ・ローズウッド系指板のストラト
エフェクター:市販のオーバードライブペダル(取り回しの良いサウンドに仕上げるため
サウンド:クリーン~オーバードライブのブルース・R&B~ロック風サウンド

という前提で、スタジオ定番アンプを使用する際に僕が行うセッティングをご紹介します。

①Fender Twin Reverb(Deluxe Reverb)
あなたがストラト弾きで上記のスタイルが好きなら、まず真っ先にこれを選んでください!
ストラトとの相性、エフェクターとの相性抜群です。
いわゆるチューブアンプなので倍音の出力もさながら、
発音が少し遅いアンプゆえにスト
ラトのしなやかさがより引き立てられるアンプです。

ストラトの伸び伸びとしたしなやかさを引き立てるセッティングを僕なりに引き出すとすると、ポイントは
・ミドルは10~11時くらいの位置で調整すること
・ベースは低音楽器の邪魔にならないギリギリのところまで持ち上げる
・トレブルは1・2弦の12フレットを同時に弾いても耳が痛くならない範囲まで

ミドルを敢えて削ることによって、アンサンブルの中での自由さが得られます。

Fender系・Dumble系のアンプは特にミドルの帯域が強く感じるので、
少し削っても抜け
が悪くなりすぎることは今までありませんでした。
リヴァーブはやる音楽にもよりますが、基本のトーンでリハーサルとライブ、
レコーディ
ングを想定するならば0が良いです。
効果的に使いたいならガッツリかけるのはアリですね!
※ブラックフェイスと銀パネという仕様の違いもあるのでそこは要注意。
銀パネの方がきらびやかなサウンドなので、しゃがみながら音を確認しトレブルのツマミを調整してみてください。



②Marshall系

これも定番なのがDSL、2000、900とありますが、もしあれば800を選んでもらえると良いです。
マーシャルはアンプ側でほんのりクランチを目指します。

ポイントは
・ゲインとボリュームは5弦開放、4・3弦2フレットのAコードをガチっと弾けばほんのり歪んでる、を目標に塩梅を探してみてください。
・トレブルは全カット
・ミドルで高音の調整を行うつもりで回していく
・スピーカーが大きいものがほとんどなので、1人で弾くと少し物足りないくらいにベースを調整

現代のマーシャル系はミドルにトレブルの要素が含まれるのでトレブルは全カットで構いません。
むしろミドルで高音の調整を行うようにしてください。
レコーディングでの使用ならばプレゼンスを少し持ち上げてもカッコいいサウンドになります。
昔のマーシャルは全MAXがかっこいいサウンドと称されていましたが、現代のマーシャルは引き算で考えていく方が上記のスタイルにはハマると個人的に思います。
あとリヴァーブはOFFにしましょう。ストラト×マーシャルの基本サウンドにおいてアンプのリヴァーブは寧ろニュアンスを邪魔します。

③Roland JC-120
真空管が入っていない所謂トランジスタアンプの代表格で、
「ノッペリしてて弾きづらい…」と避ける方も少なくはないアンプですが、安心してください。
元はキーボードの為に製作されたという逸話もあるアンプなので、
その点とクセを理解し
ておけばちゃんとギターのニュアンスを引き出してくれる味方になりますよ。

ポイントは
・BrightボタンをOFF
・ミドルは基本Max
・ベースは上げすぎると不要な帯域が付いてくるので9~11時くらいを目安

この3点です。
あとマーシャルと同じくリヴァーブはいりません。自分に厳しくいきましょう笑
補足ですが、オーバードライブペダルに関しては「踏んだ時に気持ち音量が上がる」ボリュームの設定が望ましいです。

ストラトサウンド必聴盤!

これも世界中で溢れるほど有名なストラトの使い手の話になってくるので、またまた僕の主観でお許しください。笑
本当は他にも沢山ご紹介したい方はいるのですが、今回は分かりやすくストラトの「しなりサウンド」が堪能出来る動画をピックアップしてまとめてみました。


●YMM / Suchmos

NHK紅白歌合戦にも出場した、日本で2010年代からのシティポップ再流行の最前線にいたといっても過言でないバンドです。
ギターTaikingさんのキレ抜群なカッティングとストラトのしなやかさが綺麗に調和し、ストレートに味わえる動画をチョイスしてみました。

Suchmos
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●陽炎 / フジファブリック

日本人からもう一曲。故・志村正彦氏が亡くなる2年前のライブ映像で声の伸びが弱まりつつあるライブではあるのですが、
バンド全員がより熱量が高く気持ちが乗っているライ
ブだったのでピックアップさせていただきました。
ギター山内総一郎氏の、深く歪ませてもバンドサウンドに馴染みながら彩をつけているサウンドメイクとプレイに感銘を受けた映像です。

フジファブリック
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●Snow / Red Hot Chili Peppers

「デスノート」の映画の主題曲にもなった日本でも馴染みある曲、
これは現代の3大ギタ
リストの1人、ジョン・フルシアンテ氏が在籍していた頃のライブ映像ですね。
バッキングではクリーン~クランチのジューシーなストラトサウンドが堪能できます。
コードバッキングでの音の分離の良さとバンドサウンドでの馴染み方がとても気持ち良いライブテイクです。

Red Hot Chili Peppers
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●Moving On And Getting Over / John Mayer

往年のエレキブルース系譜のギタープレイとポップなソングライティングを武器にするもう1人の現代の3大ギタリスト、
ジョンメイヤー氏が2017年に発表したアーバンポップテイ
ストのアルバムから代表曲をチョイスしました。
もう全員最高なのですが、、ストラトの話でいうとクリーンなカッティングのバッキングからTS系オーバードライブで唸る人の声のようなギターソロまで堪能できます。
5:10~からセッション的にリズムを変えるドラムのスティーブジョーダン氏が堪らない…!

●ちなみにジョンメイヤー氏のシンプルなセッティングでストラトの旨みを楽しめる動画はこちらです。

If I ain’t got you – Gravity / Alicia Keys & John Mayer

これ語り出すと一つ分の記事になりかねないので割愛します…最高すぎますよ…。

John Mayer
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●Comfortably Numb / David Gilmour

Pink Floydのデイビッドギルモア氏です、生きる伝説です。
なぜPink Floyd期じゃないのとかベースがRoger Watersじゃないのとかは今回に関しては聞き入れません!ごめんなさい!
現代を生きるギルモア氏が弾く”the Black Strat”で、Fuzzを踏みブーストさせたこの曲のソロをとにかく聴いてみてください。圧巻です。

David Gilmour
Official Web Site
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まとめ

いかがでしたでしょうか?
ストラトが大好きな身としてとことん語らせてもらったのですが、まだまだ語りたいところは沢山あるくらいです…。
自分の好きなギターや好きな音を信じ続けて求め続けていくと、こんなにも愛が篭るんだと今回記事を書かせていただき初めて気付きました。
この記事を読んでくださった皆さんの好きなギターや好きな音もいつか聞かせてもらえたら嬉しいです。

あと音作りやプレイにおいて絶対的な正解は存在しないと思っています。
アンプのツマミや音楽のプレイを数字等で解釈し「これが正しい」と思い込んでしまった時点から自由なプレイ・サウンドメイクに遠ざかってしまいます。

今は情報が沢山溢れかえっていますので、そんな時こそ固定概念にとらわれず自分の本当に好きな音楽や楽器や音を信じて沢山試してみるのが、自分のギターにおけるアイデンティティ確立に一番の近道となると信じています。
僕も常識を少しずつ色んな形で逸脱して様々なサウンドメイクを試しているので、
現状の
僕が思うベストを惜しみなくこの記事で伝えられていたら良いなと正直に書かせていただきました。
主にアンプセッティングなどは今の僕の正解ではありますが、もちろん全員にとっての正解ではないので、あくまで”参考程度”に試してみてください!

ただ、1人で考えても試しても分からなくなったら自分が信頼できる人に是非相談してみてください。
僕も色んな人にアドバイスをもらって今のスタイルが確立しています。
今僕を慕ってくれている生徒さん達からも色んな相談に乗っていますが、悩みが晴れて自分のやりたいことが分かった人のパワーって凄いんだなといつも感じられます。

何よりこうして好きなものがある生活って、とても豊かですよね!お互い大切にしていきましょう。
もしお会いする機会があれば、あなたの大好きなギターについて沢山語ってください。
楽しみにしています!

大野 玲史

横浜市都筑区出身。 父親の影響で幼少期からブルース、ハードロック、プログレを聴いて育つ。

14歳から約10年のバンド活動を経て、現在はアコースティック・エレキギターで様々なシンガー・バンド・アイドルのライブやレコーディング、アレンジで参加。 過去の家庭教師などの指導経験を生かして、ギター講師業も積極的に行っている。 無類のカレー好きでもある。

主な共演アーティスト(敬称略) 引地洋輔(RAG FAIR)、ヤマグチヒロコ(salyu×salyu)、港町ぎんぢろうとバスエのキャバレーズ、IKURA(ゲスト共演)、パステル(声優ユニット:加藤奈々絵・清水愛・こやまきみこ・今野宏美・白石涼子・日永田麻衣・増山鈴乃音)、パウンチホイール、田中翠、梅原怜子、原田智亜美、アキオカマサコ、コバケン、Keef Anthony、Life-Like、merci、Magenta Rodeo

大野 玲史先生のレッスンはこちら

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