『机』で音が変わる!?ギタリストのためのデスク選び決定版
こんにちは!オトノミチシルベギター講師の西山昌一郎です。
前回チェアについて執筆しましたが、今回はデスクについて取り上げていきたいと思います。
前回よりも音楽に特化した内容となります。
デスク編
■ 音楽をやるための机の機能を考える
一般にオフィスデスクというのは、
フラットな天板、読書灯、コンセント、文房具入れ等の引き出し、等が備わっています。
では音楽をやるために必要な機能とは何でしょう?
まず、上記した譜面などの書き物やチェックをするため、PCキーボードを置くために天板にある程度のスペースは必須ですが、
その他にスピーカーやインターフェイス等の機材を乗せるスペース、更に接続したケーブルを引き回す(収納する)スペースが必要となります。
色々な機材がごちゃごちゃしていると見栄えも悪い上に、作業効率も落ちてしまいます。
またケーブル類を出しっぱなしにするとトラブルの元にもなりますし、掃除も大変ですよね。
■ DAWデスクを考える
上記の条件を考えた時、音楽をやるにはDAW専用のデスクがやはり強いです。
DAWデスクと検索して頂ければ今はたくさんの商品が出てきます。
十分なサイズの天板とPCモニター、スピーカーを乗せる機能があり、
打ち込み用のマスターキーボードの設置、機材のラックマウントにも対応している機種が多いです。
どれをとっても、実に「業務的」な見た目で、音楽をやるテンションを上げてくれるものばかりです!
ではこの数あるDAWデスクの中で、読者の皆様にとっての機能条件を満たしている商品が幾つか見つかったとして、どれを買えばよいのか・・。
それは「音の良さ」だと考えます。
■ 拘りたいポイント
デスクなのに「音」が良いとはどういう事か??
これは中々ネットにはない情報ですが、デスクが「共振」を起こさないかどうか。
音楽を再生するときに、デスク上にスピーカーを設置すると腕を置いている天板が振動を起こしませんか?
その振動が少ないものであることが、拘りたいポイントです。
音楽をやるおいても、聞くにおいても、リスニングポイント、そして自分の耳をを正確にするのに共振が少ないことはとても重要なポイントとなります。
共振が少ないというのは、もちろんデスクに使用されている材なども関わってくると思いますが、自重が「重い事」が重要だと感じます。
業務用レコーディングスタジオにあるデスクは、コンソール(卓)一体型であることが多く、機器と一体になっているのでとてつもなく重いのです。
勿論、材や作りもありますが、重さを利用して音による振動が伝わるのを防いでいます。
しかし、結果から先に言うと、個人の自宅で導入できるDAWデスクは大きさや重さに限界があるため、どれもある程度の共振を起こしますし、それを0にすることはまず不可能です笑
何せレコーディングスタジオは部屋とコンソールデスク等、そもそも専門家が「設計」段階から作られているので、一般個人のレベルで敵うはずがありません。
でも我々は、どうにかしてその一部分だけでも自宅マイルームに取り込みたいわけです!!
これは実際展示してある楽器店に行き、低音が出る曲なんかを再生してデスクに振動が伝わってこないか試すことが出来ます。
例えばEDMなんかを聞いたり作ったりする場合、特に低音の管理を正確にするために大切なのではないでしょうか。
Zaorデスク
自分は実際DAW等に強い楽器店に行き色々試した結果
「Zaor(ザオール)/Combo Desk」を選びました。
Combo Deskはイケベ楽器限定販売のようです
理由は機能、デザイン、大きさが自分の環境とベストマッチしていたこと。
そして他の置いてあったデスクより共振が少ないように感じました。
但し、こちら自己での組み立て商品となりますので、組み上げ精度で多少の誤差的影響は出るかもしれません。
Combo Deskは背面にケーブル収納スペースがあり纏められるのでデスクがごちゃごちゃせず、
本当にスッキリしました。
ラック部分にはお気に入りのマイクプリや、エフェクター、電源等を配置。
ラック部分の蓋は埃対策として別売りのものを取り付けました。
また前面引き出しは通常、マスターキーボード(鍵盤)をしまう用途に使う事が多いですが、
自分はギタリストのため、マスター鍵盤は小さいものしか使用しないので、
ここにインターフェイス、ヘッドフォンアンプ、小物、よく使うWAHエフェクターなどを収納しています。
「共振」など不必要な鳴りを抑え込みデスクを仕上げよう
さて、Zaorを導入し次は「鳴り」を調整してゆきます。
共振など、必要ない音や振動は出来うる最低限に抑え込む必要があります。
不必要な音を抑え込むには、スピーカースタンド、インシュレーター、添え木、レンガ、発泡材、音場補正ソフトなんかを使います。
まずはスピーカースタンドを使って物理的にスピーカーをデスクから切り離す方法。
こちらは確実ですが、物理的スペースが大きくなり、部屋に余裕がないと出来ません。
またスタンドも性能があり、中に砂を入れて自重を与え、床への共振を抑える商品、インシュレーター(振動絶縁体)が付いているもの等色々あります。
インシュレーター単体でスピーカーの下に設置するもの等各社種類があり、こちらも効果が高い商品がたくさんあります。
そして、自分が一番効果が高いと感じたのは、添え木、レンガ、発砲材等の素材をサンドイッチして使う事です。
別々の素材を組み合わせる事で、振動の波が変わるそうで安くて抜群の制振効果がありました。
またスピーカーの音場補正ソフトとして
「Sonarworks Reference 4」
「Genelec GLM SAMスマート・アクティブ・モニタリング・システム」なども併用すると良いでしょう。
このソフトは本来、スピーカーを設置した部屋の音響特性による悪影響をキャリブレーションで最小限に抑えることを目的としていますが、音場補正効果により結果デスクの共振も少なくなります。
自分は
デスク→添え木→発砲材→卓上スピーカースタンド→モニタースピーカー
の順番で設置しており、上記したソフトについても両方を状況に応じて併用しています。
これで音楽のためのデスクが完成するわけです!
あえて欠点を上げるなら
色々な機能が備わっているのでデカくて、制振も考えられているので重いです笑
引っ越しは大変かもしれません・・。
それと天板が白は汚れが目立ちやすいので、デスクマットなどを敷くと良いでしょう。
まとめ
こちらもチェア編同様、安くない買い物です。
しかし同じように生産性UP、意欲向上、良い効果は図りしれません。
自分にとって最大限の集中やパフォーマンスを引き出すことが出来るモノをじっくり考えて投資してゆきたいですね。
西山 昌一郎
ギタリスト、アレンジャー。 リットーミュージック「ギター・マガジン」誌コンテスト「2016 Guitar Magazine Championship vol.9」 グランプリ受賞。 2012準グランプリ受賞。
日本大学文理学部卒業。同大学Jazz研、慶応大学クロスオーバー研究会所属。在学中より、プロとして活動を始める。
アニメジャパンフェスティバルAJF NeoGeneration2013ハウスバンド、織田哲郎、マキタスポーツ(Fly or Die)、Kinki Kids、柊木りお、アキシブProject、GALETTe、ANNA☆S、渡辺宙明、堀江淳、五條真由美、チャン・リーメイ、マスダシマイ、asfi、sonymusic劇団ハーベスト、執事歌劇団Tact、ツートン青木、青木隆治、Voice、ユージソン、やないけいこ、金色のコルダ、アンジェリーク、三國無双、戦国無双シリーズ、楽器フェア2016JVC KENWOOD社デモンストレーター等々、レコーディング、アレンジ、コンサート、TV撮影等に参加。
ギター、ウクレレ講師としても、一般生徒の他に、ギタートレーナーとしてGAKU-MC(EASTEND+YURI)、MIKI(SoundHorizon)等を担当。
1983年、福井県生まれ、富山県育ち。奥山雄樹、松原正樹、鈴木健治に師事を受ける。