【プレベ×ジャズベ企画②】私の愛するジャズベースの魅力!【ジャズべ編】
はじめまして、ベーシストの加藤一海(カトウカズウミ)です。
関西を中心にソロアーティストとして演奏、作曲、講師等の活動をしております。
今回は、ジャズベースの魅力について感じたことをお伝えできればと思います。
ジャズべとは?
ジャズベースとは、レオ・フェンダー氏によって開発設計されたエレキベースで、
1960年にフェンダー社から発売されました。
当時、伝統的なウッドベースを愛用するジャズミュージシャンをターゲットに作られたことが名前の由来として有名ですが、これには諸説あり、1958年に発表されたギター、“ジャズマスター“からボディデザインを採用し、
より楽器としての可能性を追求した上級モデルとして発表したという話もあります。
特徴としては、採用されたボディの『くびれ』部分が、左右違う高さでデザインされているので、
より身体にフィットし、膝に乗せたり、座った状態でも演奏しやすくなっています。
細くて丸いネックは握りやすく、速いパッセージやフレーズの演奏にも向いています。
さらに、ピックアップが2つあることで、音に多彩なバリエーションが生まれます。
出会い
私がジャズベースと出会ったのは、高校2年生の春、友人と地元の楽器屋さんへ行った時でした。
フェンダーUSAのジャズベースで、美しいその姿に一目惚れして、
お金をかき集めてその日のうちに同じ店にもう一度買いに行ったのを覚えています。以来ずっとこのジャズベと一緒にいます。
ライトアッシュボディに、メイプル指板。20年以上弾き続けているので、コーティングも剥がれてきていますが、
とても愛おしく、今でも現役のメイン楽器です。
経年変化による亀裂(クラック)も大好きです。
ライブ、専門学生時代、演奏サポート、船上でのパーティーやディナーショー等、
様々なシーンをこのジャズベと共に過ごしてきましたが、
他のどの楽器よりも心強く、とても緊張するような場面でも支えられてきました。
熱い信頼関係を築けるのもこの楽器だからこそです。
ジャズベならではのサスティーンも魅力的で、音の立ち上がりも速く、リズムのコントロールがしやすいので、
ジャズ、フュージョン、ロック、ラテン、ポップス等、様々なジャンルに対応する事が可能です。
勿論、スラップ奏法にも向いています。激しい場面でも安心してプレイすることができます。
セッティング
セッティングのバリエーションとして、
3つのノブをコントロールすることで様々な音色を生みだすことができます。
フロント、リア、マスタートーンの3つで、例えば
・フロント絞る、リア全開、トーン7~8割
=『ジャコ風トーン』
・フロント全開、リア0、トーン7~8割
=『プレベ風トーン』
・フロント7~8割、リア全開、トーン全開
=『70年代R&Bスラップ風』など。
あとはピッキング次第、ぜひ試してみて下さい。
カスタムパーツの交換などにより楽しめる要素も沢山あります。ピックアップ、ブリッジ、配線などなど。
これを機に『ジャズベ沼』にハマってみては如何でしょうか?
おすすめ楽曲!
おすすめのサウンドは、やはりジャコパストリアス氏のアルバム、
“ジャコパストリアス“より1曲目『Donna Lee』です。
誰もが正確に演奏できるように打たれたフレットをわざわざ抜いて、音のイントネーションの幅を広げ、
可能性に挑戦し続けた彼はまさにエレキベースヒーローであり、ジャズベの名手と言えるでしょう。
Jaco Pastorius
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そして、もう一人のヒーロー、マーカスミラー氏。
彼のおすすめサウンドは、アルバム“M2“より、こちらも1曲目『POWER』。
ジャズベースのボディ内にプリアンプを内蔵して、よりスラップ奏法に適した、
いわゆる“ドンシャリ“サウンドを確立させました。
彼の77年製フェンダージャズベースを踏襲したメイプル指板、
アッシュボディのジャズベースタイプが今も多く生産されています。
Marcus Miller
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そして日本を代表するミュージシャン、細野晴臣氏。
2020年フェンダーからシグネイチャーモデルが発売され、自身でも定番はジャズベースと仰られているように、
長期的に、色々なセッションやレコーディングでジャズベースを演奏されているようです。
おすすめは所属していたバンド、はっぴぃえんどのアルバム“風街ろまん“よりさらに1曲目『抱きしめたい』、
そして自身のアルバム“HOSONO HOUSE“もおすすめです。
今尚、進化し続けるHOSONOサウンドに魅了されます。
細野晴臣
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ロックで言えば、“Rage Against the Machine“のティム・コマーフォード氏の歪ませたジャズベの音、ハードピッキングとアンペグとの相性は最高に上がります。
Rage Against the Machine
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そして“Rush“のゲディー・リー氏。カナダ出身、プログレッシブ・ロックバンドのベーシストで、彼の生み出す音色はまさにジャズベの魅力が圧縮されたような音がします。
ブリッジをバダスIIに変更されている点が魅力の秘密かもしれません。
Rush
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まとめ
ジャズベースの魅力について語ってきましたが、まだまだ深掘りできそうです。
楽器の良いところは共に成長できることだと思います。
素敵なジャズベースとの出会いがあれば是非、手に取ってみて下さい。
大切に育てた、お気にりの一本があればどんなシーンにも挑むことができるでしょう。
これからも共に挑戦し続けましょう!
加藤 一海
ヤマハ音楽院大阪卒業。
ベーシスト、作曲家、トラックメーカー、イベントコーディネーターとして活動中。
ベース演奏以外にもアンサンブル、作曲、理論、マネジメント等を カトウカズウミ音楽教室、専門学校ESPエンターテイメント、島村楽器にて指導している。
ライブ、セッションの共演者にマイクスターン、HARU高内、箕輪単志(ハウンドドッグ)、ふとがね金太(ツイスト)、等。
TVCMやホームページ音源に対応した音楽や楽譜などを提供する『フジハナ音楽制作』主催。