ミキサーを使用した『ステレオ出力』のセッティング三種類をご紹介!
ブログをご覧になっていただきありがとうございます!
オトノミチシルベ、キーボード科講師の小森谷です。
今回はバンドアンサンブルで音を合わせる際に、キーボーディストは「ステレオ出力」にこだわりましょうというお話しです。
具体的なセッティング例もご紹介しつつ、進めていきたいと思います。
■ステレオとモノラル
まず始めにステレオとモノラルの違いを、改めて確認してみましょう。
楽器をやっていない方でも「ステレオ」と「モノラル」の単語は、今まで何度か聞いてきたかと思います。
少しその仕組みを掘り下げると、
・ステレオ=右耳用と左耳用のそれぞれが独立した2つの音声(2チャンネル)
・モノラル=左右関係なく1つだけの音声(1チャンネル)
となり、
・ステレオ=立体的(広がりがある)
・モノラル=平面的(抜けが良い)
という具合に聴こえ方の違いがあります。
(ステレオとモノラルについてもっと詳しく詳しく知りたい方はこちら参照にどうぞ
→ 「モノラル」と「ステレオ」について|世界一の分かりやすい?)
どちらが良い悪いという話ではありませんが、アンサンブルの中で様々な音色を駆使するキーボーディストにとって、この「ステレオ出力」を活かせるかどうかはとても重要です。
(⚠︎曲調や音色によって、モノラルの方がアンサンブルに混ざるバランスが良いという場合もあるので、全部が絶対にステレオで!という事ではありません。色々試してみたうえで最終的には自分の感覚を信じましょう。)
■セッティング初級編(アンバランスアウトによる接続)
ここからは自分が普段スタジオで行っているセッティング例を、初級/中級/上級に分けてご紹介していきます。
・初級編
1.キーボードにあるMain Out(UNBALANCED)のLeft(L)とRight(R)にケーブルをそれぞれ一本ずつ、
奥までしっかり差し込み、ケーブルの反対側をミキサーへ接続出来る様に、伸ばしながら持って行く。
2.ミキサーのステレオとしてまとめられているチャンネルに、LとRを確認してそれぞれしっかり差し込む。
(ミキサーの右の方に番号がセットでふってあるものがステレオチャンネルになります)
3.ミキサーのメインボリュームを任意の位置に上げ、鍵盤を弾きながら、接続しているチャンネルのフェーダーを徐々に上げていき、最終的な音量調整を行なう。
(ミキサーについて詳しく知りたい方はこちら参照にどうぞ→ いまさら聞けないPA機器講座 ミキサーの使い方)
■セッティング中級編(バランスアウトによる接続)
キーボードにもしバランスアウトが付いていれば、ノイズが少なくより安定した接続が出来るので、
とてもおすすめです!
(バランスとアンバランスについてはこちらを参照にどうぞ
→ バランスとアンバランス【オーディオ機器のケーブル接続】)
・中級編
1.キーボードにあるMain Out(BALANCED)のLeft(L)とRight(R)にケーブル(キャノンケーブル)をそれぞれ一本ずつ、奥までしっかり差し込み、ケーブルの反対側をミキサーへ接続出来る様に、伸ばしながら持って行く。
2.ミキサーの任意のチャンネルのインプット端子に、
LとRのケーブル(キャノンケーブル)をそれぞれしっかり接続する。
ステレオ出力にする為次が大事な部分なのですが、L側のチャンネルはパンを左に振りきり、R側のチャンネルはパンを右に振りきります。これでステレオチャンネルと同じ効果になりますので、忘れずに設定して下さい。
3.ミキサーのメインボリュームを任意の位置に上げ、鍵盤を弾きながら、接続しているチャンネルのフェーダーを徐々に上げていき、最終的な音量調整を行なう。
・上級編(D.Iを使用)
1.キーボードにあるMain Out(UNBALANCED)のLeft(L)とRight(R)にケーブルをそれぞれ一本ずつ、奥までしっかり差し込む。
ケーブルの反対側はそれぞれDIのINPUTに接続する。
2.DIの反対側にあるBALANCE OUTにケーブル(キャノンケーブル)を接続し、
ミキサーの任意のチャンネルにLとRをそれぞれしっかりと接続する。
L側のチャンネルはパンを左に振りきり、R側のチャンネルはパンを右に振りきります。
これでステレオチャンネルと同じ効果になりますので、忘れずに設定して下さい。
3.ミキサーのメインボリュームを任意の位置に上げ、鍵盤を弾きながら、接続しているチャンネルのフェーダーを徐々に上げていき、最終的な音量調整を行なう。
■まとめ
以上スタジオにて実際のセッティングのご紹介をさせていただきました。
(撮影場所→松戸スタジオDUGOUT2)
初級/中級/上級と分けさせていただきましたが、慣れればどのセッティングも難しくないので、
用途に応じて使い分けてみて下さい。
スタジオでの時間が許すなら、是非ステレオとモノラルの違いを、
でかいスピーカーとでかい音で体感する事をおすすめします!
最終的にはアンサンブルにて「この音色は全体を包む様に鳴らしたいからステレオで」「ソロで音を抜けさせたいからモノラルで」など、双方の良い部分を上手く使い分けられると、キーボードの世界がより深く感じられますね!
ではまた次回のブログにて。
小森谷和歩
オトノミチシルベ キーボード科講師。
東邦音楽大学作曲学科卒業。
クラシックピアノの素養を活かしつつ、大学卒業後は様々な音楽関係の仕事に携りながら本格的にジャズピアノの勉強を始める。
現在アーティストサポートやバンド活動、自身の作曲をメインに都内近郊を中心とした演奏活動を行っている。