【音楽講師スタートアップガイド②】 〜音楽講師のタイプと働き方〜
はじめに
皆さんこんにちは!
前回の記事では、社会における音楽講師の役割や必要なスキルなどについてお話しさせて頂きました。
今回は音楽講師の働き方の形態や指導のスタイルについて解説していきたいと思います。
音楽講師として今後活動していきたい方、すでに講師として活動しているが方向性の転換を検討している方の一助となれば幸いです。
音楽講師は3つのタイプに分けられる
音楽講師はそのスタイルに応じて、大きく3つのタイプに分けられます。
それぞれのタイプは、講師としての目指す方向性や、生徒との関係性に基づいて下記のように分類することが出来ます。
① 徒弟制度型:昔ながらの師匠と弟子のような厳格な上下関係構築
徒弟制度型の音楽講師は、伝統的なスタイルの指導のもと、演奏スキルの継承を行います。
その指導範囲は演奏・音楽に関するの範疇を超え、私生活や生き方、考え方などにまで及ぶということが最大の特徴です。
師匠と弟子の相性が良ければレッスンの効果を最大限まで高められる一方で、その指導の厳しさから脱落者を生みやすい、というデメリットも存在します。
② 予備校型:生徒の要望からカリキュラムを作成し、目標達成をサポートする
予備校型の講師は、生徒の目標やニーズに基づいてカリキュラムを設計し、計画的な指導を行います。
講師には生徒の目標や希望を正確に把握するためヒヤリング能力が求められます。
基本的に生徒目線でレッスンが提供されるため、達成感が得られやすくクレームを生みづらいスタイルであると言えるでしょう。
同時に予備校型のスタイルはレッスンの復習や予習に対する強制力が少ないため、講師は生徒を鼓舞し練習のモチベーションを維持できるような指導を心がける必要があります。
③ エンジョイ型:「楽器の演奏を気軽に楽しむ」がモットー
エンジョイ型の講師は、レッスンや楽器演奏の敷居を下げ、音楽を趣味として楽しむためのサービス提供を主な目的としています。
生徒に厳しい目標を課すことなく、トークなどのコミュニケーションも重視して楽器や歌を楽しむための環境を構築します。
このスタイルは、「音楽と過ごす生活」を求めるシニア層に特に人気があります。仕事や日常生活のストレスを音楽で解消したいという人々にとって、エンジョイ型のレッスンは最適です。
サブスクやSNSなど余暇時間の過ごし方が多様化する現代において、最もマーケットの広いレッスンスタイルであると言えるでしょう。
デメリットとしては、楽しさを重視するあまり技術的な向上があまり見られないこともあるため、講師には生徒のモチベーションを維持しつつ、技術的な向上も適度に促すバランス感覚が求められます。
講師に求められる演奏力
音楽講師として働く際に、どの程度の演奏力が必要かという疑問は多くの人が抱く点です。
一般的には、講師が教える楽器や歌において、基本的な技術を身につけていることが前提となりますが、教えるスキルと自分自身の演奏スキルは別物だと考えましょう。
ノーベル賞を受賞した科学者が小学校で分かりやすい理科の授業が出来るとは限らないのと同じで、講師としてのスキルは演奏力だけでなく、生徒への伝え方(言語化能力)やメンターとして生徒を精神的にサポートする能力も求められます。
とはいえこの記事を読む多くの方が気になるのは「演奏力の水準」であることが推測されますので、講師に求められる演奏力の一つの指標として、当スクールで最も需要がある「ポップス、ロック、ジャズ」のギターレッスンを行う場合の必要スキルをいくつか挙げてみました。
①コード進行に沿ったアドリブが弾ける
②初見でコード伴奏ができる
③クリーントーンとドライブサウンド、どちらでも同クオリティの演奏が出来る
④ジャズスタンダードを10曲以上レパートリーに加えている
⑤生徒が希望する曲を耳コピして採譜できる
この他、演奏とは少し異なりますが、機材に精通している、動画撮影やSNSへ公開する際のノウハウに長けている、などのスキルも講師としてプラスに働くでしょう。
音楽講師はこんな人に向いている
音楽講師としての適性は、単に音楽が好きなだけではなく、以下のような要素が求められます。
教えることが好きな人:生徒に対して熱心に教え、自分自身が表舞台に出ずとも黒子として彼らの成長を喜べる人
忍耐力がある人:生徒一人ひとり上達のスピードに合わせ、焦らずにレッスンに臨める忍耐力を持つ人
柔軟性がある人:さまざまな生徒の要望や特性、キャラクターに対応できるよう教え方を調整できる柔軟性がある人。またエンジョイ型の場合はトークの内容も重要視されるので、様々な話題への対応力が求められます。
音楽を楽しむことができる人:技術的な指導だけでなく、音楽を楽しむ心を伝えることができる人。
終わりに
いかがでしたでしょうか?
音楽講師は、音楽を通じて人々に感動を与えると同時に、生徒の成長を支える重要な役割を担っています。
働き方やスタイルは多様であり、自分に合った方法を見つけることで、長期的なキャリアを築くことができます。
講師としての活動は演奏活動とは無縁に受け取られることもありますが、生徒にレッスンを行うことは一つのアウトプット作業でもあり、新たな発見や気付きが得られ講師自身の成長に繋がる事も大いにあり得るのです。
次回は講師開業に向けての具体的な準備やシミュレーションについて書きたいと考えておりますので、お楽しみに!